Impact-Site-Verification: fd0c876d-cb9c-41ea-adf1-e65122990e35 日本に生息する蛇の代表的な8種とその見分け方

日本に生息する蛇の代表的な8種とその見分け方

爬虫類
野生のアオダイショウ 約180㎝の個体
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沖縄や離島を除く日本の陸地(北海道・本州・四国・九州)には8種類の蛇が生息しており、その内の6種が無毒です。毒蛇は2種のみなので特徴を覚えてさえいれば、もし蛇に出会った時も慌てずに対応出来ます。ここではその8種類の蛇のそれぞれの特徴を紹介します。

【無毒】アオダイショウ(青大将)

【無毒】シマヘビ(縞蛇)

【無毒】タカチホヘビ(高千穂蛇)

【無毒】ヒバカリ(日計・日量)

【無毒】ジムグリ(地潜)

【無毒】シロマダラ(白斑)

【有毒】ニホンマムシ(蝮)☠

【有毒】ヤマカガシ(山楝蛇)☠

【蛇に咬まれたら・・・】

【まとめ】

 

【無毒】アオダイショウ(青大将)

野生のアオダイショウ
約180㎝の個体

和名 アオダイショウ
英名 Japanese Rat Snake
学名 Elaphe climacophora
分類 ナミヘビ科ナメラ属
分布 北海道・本州・四国・九州
全長 100~200㎝

【特徴】

アオダイショウは日本本土で最大の蛇で、都市部でも見かけるメジャーな蛇です。色は基本的には暗めの緑色ですが、北海道では青みが強くきれいな個体が生息しており、爬虫類のイベント等で販売される事もあります。また、日本で白蛇と呼ばれるものはアオダイショウのアルビノ(白色化)の個体を指すことが一般的です。※毒蛇のマムシやヤマカガシのアルビノもいます。アルビノの個体は数が少ない上、目立って天敵に捕食されやすい為に出会う事はかなり難しいでしょう。性格は温厚で、ペットとしても人気があり飼育しやすい種でもあります。※性格は温厚ですが、当然咬む個体もいますので注意して下さい。

アオダイショウの歯形

【見分けるポイント】

  • 名前の通り体色が青(緑)の色をしています。
  • 幼蛇はマムシのような鎖模様があります。
  • 人間でいう「白目」の部分が茶色く、成蛇も幼蛇も瞳孔は円形です。※マムシは縦長の瞳孔
  • 頭を真上からみるとアオダイショウの頭部は楕円に近い形をしていますが、マムシは毒牙が前方にあるため顎が張って三角形に近い形をしています。

アオダイショウの瞳孔

 

マムシの瞳孔は縦長

アオダイショウの頭部

【無毒】シマヘビ(縞蛇)

シマヘビの成蛇

 

和名 シマヘビ
英名 Japanese striped snake
学名 Elaphe quadrivirgata
分類 ナミヘビ科ナメラ属
分布  北海道・本州・四国・九州
全長 80~150㎝

【特徴】

シマヘビはその名の通り、黄褐色の背面に4本の黒い縦縞模様をもつ蛇です。性格は荒く、捕獲しようとするとまず咬み付いて反撃してきます。幼体はアオダイショウと同様にマムシに似た模様があり、徐々に縦縞に変化していきます。また、カラスヘビと呼ばれるものはシマヘビの黒色化個体を指すものが一般的です。※毒蛇のマムシやヤマカガシも黒色化します。気性が荒く、拒食もしやすいため飼育は可能ですがアオダイショウよりは難易度は高めです。

【見分けるポイント】

  • 成蛇は体に4本の黒い縦縞模様があります。
  • 人間でいう「白目」の部分が赤く、成蛇も幼蛇も瞳孔は円形です。※マムシは縦長の瞳孔
  • 頭を真上からみるとシマヘビの頭部は楕円に近い形をしていますが、マムシは毒牙が前方にあるため顎が張って三角形に近い形をしています。

シマヘビの目

 

【無毒】タカチホヘビ(高千穂蛇)

タカチホヘビ

和名 タカチホヘビ
英名 Japanese odd scaled snake
学名 Achalinus spinalis
分類 タカチホヘビ科タカチホヘビ属
分布 本州・四国・九州
全長 30~60㎝

【特徴】

成蛇でも60㎝程度の小型の蛇です。体色は暗い茶色~黒い色をしており、背中に黒い一本の縦縞が入ります。鱗は金属のような光沢があり、光の加減により虹色に見えるとても綺麗な蛇です。ミミズや昆虫の幼虫を主食とし、性格はおとなしくまず人を咬みませんが、餌の確保が難しく飼育の難易度は高いです。基本的には夜行性のため、なかなか出会う機会のない蛇です。

【見分けるポイント】

  • 体表(特に頭部)に金属のような光沢があります。
  • 夜間や雨天時に出て来やすいです。
  • 背中に黒い一本の縦縞

【無毒】ヒバカリ(日計・日量)

ヒバカリ

和名 ヒバカリ
英名 Japanese keelback
学名 Hebius vibakari
分類 ナミヘビ科ヒバカリ属
分布 本州・四国・九州
全長 40~65㎝

【特徴】

成蛇でも60㎝程度の小型の蛇です。背面は褐色~暗褐色で口元から首にかけて白いラインが一本入っています。無毒ですが昔は毒蛇とみなされており、「噛まれたら命がその日ばかり」に由来し名前が付きました。泳ぎが得意でカエルやオタマジャクシ、小型魚類、ミミズ等を捕食します。性格は神経質な個体が多く、適した飼育環境は必須、特に冬場は餌の確保も難しい為に飼育の難易度は高いです。

【見分けるポイント】

  • 背面は褐色で口元から首にかけて白いラインが一本入っています。
  • 小さくて大人しい蛇です。

【無毒】ジムグリ(地潜)

ジムグリ

和名 ジムグリ
英名 Japanese Forest Ratsnake
学名 Elaphe conspicillata
分類 ナミヘビ科ナメラ属
分布 本州・四国・九州
全長 70~100㎝

ジムグリの幼蛇

【特徴】

生息している地域や個体により体色や模様の違いが大きい蛇です。地中や石の下によく潜るためにこの名前になりました。幼蛇の見た目は頭部に逆V字の模様、体色は赤みのある茶褐色で黒い斑点があります。成蛇になるにつれて模様は薄くなり、赤みのある暗褐色になります。腹面をみると四角い黒い鱗が不規則に並び、市松模様のようになります。主食はネズミやモグラ等の小型哺乳類です。24℃前後の低温を好み、朝方や夕方の気温の低い時間によく活動します。高温や蒸れに非常に弱く、季節により拒食をします。神経質な個体が多く、環境をしっかり整える必要があるため飼育の難易度は高い蛇です。

【見分けるポイント】

  • 土に潜りやすいように頭と胴の境目がなくストレートになっている。
  • 腹面をみると四角い黒い鱗が不規則に並び、市松模様のようになっています。
  • 生息している地域や個体により体色や模様の違いが大きい蛇です。

【無毒】シロマダラ(白斑)

シロマダラの成蛇

和名 シロマダラ
英名 Oriental odd-tooth snake
学名 Dinodon orientale
分類 ナミヘビ科マダラヘビ属
分布 本州・四国・九州
全長 30~70㎝

【特徴】

成蛇でも60㎝程度の小型の蛇です。夜行性の上、薄い茶色(幼蛇は白)の胴体に黒い点(横縞)模様が入った蛇です。個体数もそれほど多くないとされており、目撃例の少ないことから「幻の蛇」として見つかると良くニュースになっています。神経質で拒食をすることが多い上、トカゲやヤモリ等の爬虫類を主食としており、飼育の際はこれらをコンスタントに用意しなければならないため、餌の確保の難易度も高いです。

【見分けるポイント】

  • 胴体に黒い点(横縞)模様が入っています。特徴的な模様なので見分けやすいと思います。

【有毒】ニホンマムシ(蝮)☠

ニホンマムシ

和名 ニホンマムシ
英名 Japanese pit viper
学名 Gloydius blomhoffii
分類 クサリヘビ科マムシ属
分布 北海道・本州・四国・九州
全長 45~60㎝

【特徴】

日本国内で最も毒蛇による被害が多いのがこのニホンマムシです。頭部は毒牙が口の前方にあるため三角形に近い形をし、胴体は太く短く鎖状の模様が入っています。体色は土や枯れ木・落ち葉のような色をしており、じっと動かない事も多く、それなりに数は多い割に非常に見つけ辛い蛇です。このような特徴から、マムシがいても気付かずに踏んでしまったり、手を近づけてしまい咬まれてしまう事故が特に多いようです。また、マムシの攻撃はとても早いため極力近づかないようにする注意が必要です。抱卵中などの気が立っている個体は近づいても逃げずに攻撃してくる場合もあるため、マムシの出そうな所を歩く場合はまずは長靴をはき、マムシを見つけたら距離を置いて近づかないようにしましょう。

 

【見分けるポイント】

マムシの瞳孔は縦長

  • 頭部が三角形に近い形をしており、顎が張っています。
  • 太く短い体
  • 体に鎖状の模様があります。
  • 縦長の瞳孔
  • 黒色化した個体も発見されています。

【有毒】ヤマカガシ(山楝蛇)☠

ヤマカガシ

和名 ヤマカガシ
英名 Tiger keelback
学名 Rhabdophis tigrinus
分類 ナミヘビ科ヤマカガシ属
分布 本州・四国・九州
全長 60~120㎝

 

【特徴】

山や森林、田んぼなどどこにでも良くみられる蛇です。体色は胴体に黒と赤の斑紋が交互に入ってるものが一般的ですが、生息している地域により模様や体色に違いがあり、青色の個体もみられます。

上顎の奥歯に短い毒牙を持っていますが、浅く咬まれた場合は毒が注入されない場合もあり、以前は無毒と思われていました。実際はヤマカガシの毒性はかなり強く、日本に生息する毒蛇の中でも1番強い毒性と言われています。毒牙の他にも頸部の背面から黄色の毒液を出すこともあり、目に入ると失明する可能性もあるため、むやみに捕まえたり攻撃することは絶対にやめましょう。ヤマカガシの毒に対する血清は日本に唯一、群馬県のジャパンスネークセンターのみにしかないため特に注意が必要です。当然ですが、飼育は禁止されています。

恐い蛇に感じると思いますが、性格は温厚なものが多く、こちらから攻撃したり捕まえたりしない限りはまず人を咬むことはありません。大抵は近づけば逃げていくため、出会ったとしても恐がる必要はありません。

【見分けるポイント】

  • 胴体に黒と赤の斑紋
  • 首の後ろから顎の下が黄色くなっています。
  • 生息地域により、や模様の違いが大きいため注意が必要です。

ヤマカガシの頭部

【蛇に咬まれたら・・・】

咬傷を受けた場合、蛇の種類判別は非常に重要です。咬んだ蛇を捕獲していれば良いのですが、ほとんどの場合は何の蛇に咬まれたか分からない、蛇に咬まれたかどうかすら分からないといったケースです。また、蛇は同じ種類でも個体や年齢によって色や模様が大きく異なるケースが良く見られるため、咬んだ蛇の種類を誤認する事もあります。

例外もある為、参考程度にはなりますがマムシに咬まれた場合は毒牙が前方にあるため咬傷が2ヶ所(点)または1ケ所(点)になる事が多いです。ヤマカガシ又は無毒蛇に咬まれた場合は4列の咬傷がつく事が多いです。

アオダイショウ(無毒)の咬傷

また、無毒の蛇に咬まれた場合でも普段はネズミやカエルなどを捕食している為、咬まれると傷口から雑菌が入る可能性も十分にありますので蛇に咬まれた場合は速やかに医師の診察を受けましょう。

  • 咬傷部10~20㎝心臓側を圧迫する程度で緊縛し、吸引又は絞り出しを行いつつ迅速に医師の診察を受けましょう。※吸引を行う場合はポイズンリムーバーという毒を吸い出す器具が器具が1000円~で売られていますので持っていると緊急時に便利です。口で毒を吸いだしてはいけません
  • 咬まれた時の時間や状況は説明出来るように必ず覚えておきましょう。
  • 水があれば血を絞りながら洗浄しましょう。
  • 受傷後は、安静を心がけ走ったりしないようにしましょう。
  • 咬傷部は心臓より低い位置に下げておきましょう。
  • 冷やすのは良くない、あるいは効果がないとされています。

【まとめ】

  • 日本本土(北海道・本州・四国・九州)に生息する毒蛇はニホンマムシとヤマカガシのみ。
  • まずは長靴や厚手の服装などで対策をしましょう。
  • ヤマカガシは特に危険!血清は日本に一ヶ所のみ
  • 無毒の蛇でも普段はネズミやカエルなどを捕食している為、咬まれると傷口から雑菌が入る可能性も十分にありますので注意しましょう。
  • 無毒の蛇でも幼蛇の時はマムシに似た模様を持つ蛇がいます。
  • 爬虫類は模様や体色にかなり個体差があります。種類の特定は一つの特徴だけ見るのではなく総合的に行い、判別が難しい場合や特に目的がない場合は極力そっとしておいた方が良いでしょう。
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