観賞魚の活餌となるミジンコは実際にはどの位のペースで増えているのか、また、与える餌によって増えるスピードはどの位違うのか気になったため、実際に実験してみました。
これからミジンコの培養を検討している方の参考になれば幸いです。
条件は以下の通りです。
【飼育条件】
ケースA:水にムックリワークを耳かき三分の一程度混ぜたもの。
ケースB:生クロレラを水で希釈したもの。
ケースC:生クロレラを水で希釈したものにムックリワーク(ミジンコやプランクトン用の飼料)を耳かき三分の一程度まぜたもの。
- 室内で無加温にて行う。※10月初旬室内気温約23℃~18℃
- 水は全てカルキ抜き済の水道水を使用。
- 数えやすいようにオオミジンコを使用。※同じバケツで飼育していたものを使用。
- それぞれのケースに各10匹を投入。※大きさは大体均等になるように選別。
- ケースBとケースCのクロレラの濃度は同一。
- 生きている数を計測。
【1日目】
【ケースA】(ムックリワーク)のミジンコ
【ケースB】(生クロレラ)のミジンコ
【ケースC】(生クロレラ+ムックリワーク)のミジンコ
大きさはそれぞれ大体同じ位になるように大小様々なサイズを入れました。
3日目くらいまでは大きな変化はなく、抱卵していたものが生まれた程度でしたが4~5目くらいから数に差が出始めました。
【5日目】
【ケースA】(ムックリワーク)のミジンコ
・14匹確認できました。他のケースに比べると動きはゆっくりとした動きです。
【ケースB】(生クロレラ)のミジンコ
・24匹確認できました。動きは早く、全体的に体は大きめです。
【ケースC】(生クロレラ+ムックリワーク)のミジンコ
・21匹確認できました。動きは早く、全体的に体は大きめです。
【5日目の結果】
5日目に入り、個体数と動きに差がかなり出始めました。結論、ケースB(生クロレラのみ)とケースC(生クロレラ+ムックワーク)が良く増えており、ほぼ同数で20匹+αと5日間で2倍以上に増えました。
また、ケースBとケースCのミジンコは体が全体的に大きく、動きも活発でした。
【10日目】
【ケースA】(ムックリワーク)のミジンコ
・27匹確認できました。泳いでいる個体もいますが、生きてはいても水底であまり動かないものがほとんどでした。
【ケースB】(生クロレラ)のミジンコ
・70匹以上確認できました。体は大きく活発に動いています。
【ケースC】(生クロレラ+ムックリワーク)のミジンコ
・100匹近く確認できました。体は大きく活発に動いています。
【最終結果】
最も数が多かったのはケースCの生クロレラとムックリワークの両方を与えたミジンコでした。動き回って小さいものもいた為、正確な数計測できませんでしたが100匹近くもしくはそれ以上確認できました。最初は10匹でしたので十日で約10倍増えたことになります。
また、ケースBの生クロレラを与えたミジンコも約70匹と7倍も増えていました。
生クロレラを与えた個体は成長が早く、動きも活発に感じました。
残念ながら今回あまり増えなかったムックリワークですが、通常は魚や水生生物の住んでいる飼育水にプラスして与えるべきものを今回は水道水のみで育てたため当然の結果とも思えます。生クロレラと合わせて与えるとかなりの効果を発揮するように感じました。